幼少期ストレスが成熟期における慢性疼痛に及ぼす影響

#1 西中崇、中本賀寿夫、徳山尚吾 慢性疼痛に対する幼少期ストレスによる脳神経機能異常への影響 日薬理誌 2017;149:79-83
#2 西中崇、中本賀寿夫、徳山尚吾 幼少期ストレスが成熟期における慢性疼痛に及ぼす影響 日薬理誌 2017;149:134-138

  • #2
  • マウス後肢における機械的・熱的刺激に対する痛み感受性にMSSI負荷の影響は認められなかった
    • MSSI; maternal separation and social isolation 母子分離と社会隔離
  • 幼少期のストレス負荷は成熟期における神経障害性疼痛を増強させることが示唆される
  • ストレス負荷は痛みによる情動機能異常の進行を早める働きがあることが示唆される
  • 神経障害性疼痛後の情動障害に対しては雌性マウスにおいてのみ変化が認められた
  • BDNFによる情動機能の調節が注目されている
  • 母子分離後の幼少期におけるBDNF発現変動が成熟期における情動機能の障害や神経障害性疼痛の増悪に影響している可能性が考えられる
  • 幼少期ストレス負荷によるBDNF発現量の変動は、成熟期における神経障害性疼痛後の情動障害発現に関与していることが示唆される
  • 雌性マウスの海馬における母子分離後のBDNF発現量の増加は、神経障害性疼痛後の情動障害の影響を減弱させるために作用していることが示唆される
  • 幼少期ストレスによるBDNF発現変動の性差は、成熟期におけるストレス脆弱性の性差に関与しいるかもしれない
  • 神経障害性疼痛後の情動障害における性差は幼少期ストレス負荷直後の脳内BDNFの発現変動がが関与していることが示唆される