旭川医科大学病院緩和ケア診療部

阿部泰之 旭川医科大学緩和ケア診療部 Locomotive Pain Frontier 2017;6(1):40-43

  • 患者さんに痛みをいったん「全部なくせいないもの」と認識してもらうことが重要であり、さらに医師である私にも明確な答えがないことを開示して関係を作っていくのがよいと考えています。
  • ですから私は「よくしてあげる」という意味のことは言わず、「ちょっとはよくしてあげられるかもしれないけれど、その方法が今はまだ私にはわかりません。あなたが「効いた」と思う治療が結果的に良い治療ということだから、一生懸命診るので試しながらやっていきましょう」とお話しています。
  • この関係性の構築、いわば治療構造こそが慢性疼痛の治療においては重要であり、これが築けた時点で救われる患者さんも少なからずおられます。
  • 患者さんには「痛みはどんどん変わっていきますから、前に使って効果がなかった薬でも、時期が違えば効果を示すことがあります。「前に効かなかったから」と選択肢をなくさないようにやっていきましょう」と最初にお伝えしています