痛みリエゾン外来(集学的慢性痛診療チーム)クリニカルパスの作成

西江宏行、大倉和代、鉄永倫子、井上真一郎、大田晴之、小田幸治、日下亜依、宮脇卓也、福永亜沙美、石川慎一、好長香織、馬場華奈巳 痛みリエゾン外来(集学的慢性痛診療チーム)クリニカルパスの作成  日本クリニカルパス学会誌 2014;16(1):23-27

  • 慢性痛の中には、原因や診断のわからないものが多く、対応に苦慮することがある。そして、身体的な問題のみならず、心理・社会的な問題が痛みをより複雑にしていることが多い。たとえば家族関係や仕事のストレスなどは痛みの増悪因子となりやすい。緩和ケアに似て、慢性痛も身体的な痛みに加えて精神的な痛み、社会的な痛みも含む全人的な痛みとしてとらえておく必要があると我々は考えている
  • 慢性痛患者に対しては他職種で診療するチーム医療が海外では行われている
  • 痛みリエゾン外来クリニカルパス
  • 簡単にいうと、痛みを薬や神経ブロックで治療してもらうのではなく、自分でコントロールするように誘導することである。そして、あくまでも紹介医をサポートするコンサルテーション外来であり、6ヶ月で終了することとしている
  • 問題点 特に、一通り診察が終わった後、患者から「結局何もしてくれなかった」と言われ、医療側が強い無力感を感じることが多かった。口頭で十分に説明して理解し得たと思ってもそうではなかった
  • この診療を成功させるためにもっとも大切なのは、「患者自身が治療に参加する外来」であることを患者が理解していることである
  • 除外基準では、問診票の記入意思のない患者を明記した
  • 問診票を書く意思のない患者は、結果的に治療に対して受け身であることが多かったからである
  • この日記は痛み日記でなく「活動日記」と名づけた
  • なによりもっとも大切なのことである「患者自身が参加する外来である」ことがわかりやすくなった
  • 現在のパスは、主としてタスクを整理したものとなっている。さらにクリニカルパスを充実させるために、アウトカム志向にしたいと考えている

鉄永倫子、田中雅人、尾崎敏文、西江宏行、石川慎一、溝渕知司、井上真一郎、小田幸治、琉王雄太、宮脇卓也、大田晴之 岡山大学病院における難治性慢性痛に対する新しい試み ー痛みリエゾン外来 中四整会誌 2014;26(1):23-26