- 2011 神経障害性疼痛の定義 Pain caused by a lesion or disease of the somatosensory system (体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛)
- CRPSで近年注目されている徴候 neglect-like syndrome, motor-neglect,空間認知の障害(spatial problem)
- 不信感があると、プラセボ効果の反対で、通常の薬物効果を減ずるノセボ効果がおこりやすくなる
- 神経障害性疼痛の痛み体験は、1患者が自身の苦痛・苦悩を適切に表現できるかという能力、2患者の周囲に、患者の苦痛・苦悩を受容的に理解しようとする生活環境があるかどうかの問題(家族内交流不全の有無)3患者と医療スタッフとの医療コミュニケーションが適切に行われるかどうかの問題、以上3点について問題がなければ、神経障害性疼痛の標準的医療が奏功しやすいといえる。逆に、標準的医療が奏功しにくい場合には、上記3点のどこかに問題があるのではないかと考えて評価してみることが重要である
- 慢性疼痛一般の難治例の特徴
- 失感情症 alexithymia 自分の気持ちがそもそも自身でつかめないという感情同定困難、自分の気持ちを相手にうまく伝えられないという感情伝達困難、自分の気持ち以外の外的因子に関心が向きやすいという外的志向、想像力の欠如といった因子が失感情症の下位要因であることが知られている
- 愛着障害
- 共感力不足
- 神経障害性疼痛を合併する慢性疼痛患者に対する心身医学的アプローチ
- 医療コミュニケーションに特に主眼をおいて、患者医療者の信頼関係の形成の時間に十分な時間をとることが重要
- 慢性疼痛に対する心理療法に対する評価ドメイン
- coping and cognitive appraisal (痛みへの対処法や認知的評価)
- physical functioning
- emotional functioning
- pain behavior(or activity)
- pain experience
- 痛みに関連した感情面に対しては抑うつ、不安、破局化以外には、怒り、欲求不満や不公平感(injustice)が重要であることが提起されている
- 慢性疼痛難治例では、行動の制御ができない強迫的な過活動が観察されることが多い
- 痛みによる恐怖回避による不動か、あるいは否定的感情の発散のための強迫的な過活動になるかの”全か無か”の極端な行動に陥りやすい問題に対して、過度のリハビリと休息のバランスをとるペース配分(pacing)を指導する心理教育的アプローチが重要である