井辺弘樹、仙波恵美子 下行性疼痛促進系 ペインクリニック 2013;34(8):1069-1077
- RVMを構成するneuron
- On-cell
- 熱刺激に対する逃避反応発生の直前に活動を始める細胞
- 脊髄後角の投射し、痛みの伝達を促進
- Off-cell
- 逃避反応の発生の直前に活動が止まる細胞
- 脊髄の後角に投射し、痛みの伝達を抑制
- Neutral-cell
- 逃避反応が発生しても活動に一貫した変化がない細胞
- 生理的条件下では疼痛を抑制する下行性疼痛抑制系が、種々の慢性化した病態下では、逆に疼痛を増強するという実験結果が次々にあきらかになった
- RVM 5-HTニューロンはOn-cellでもOff-cellでもなく,すべてNeutral cell(全Neutral cellの30-40%)である。しかし、On-cell,Off-cell,Neutral-cellというphenotypeは必ずしも固定化されたものではなく、状態により変化し得る。炎症後24時間経過すると正常ではNeutral cellと分類されたものがOn-cell, Off-cellに変化して、全体としてOn-cell,Off-cellの割合が変化し、Neutral-cellの割合が減少するといわれている。
- 今では下行性5-HT入力は、脊髄後角において侵害情報伝達の抑制と増強という二相性の役割を持つことが明らかにされており、最近、このうち痛みを増強させるという作用が特に注目されている