神林栄一、坂野雄二、久保木富房 疼痛の評価と治療 行動療法 J Clin Rehabil 1992;1(5):416-422
- 疼痛に対する3つの行動療法の技法
- 行動アセスメント
- 慢性疼痛患者の場合には、どのような刺激―状況のもとで痛みの訴えが生じてくるのか、あるいはいかなる強化因が痛みの訴えや、痛みに関連した行動に対して与えられているかを、明らかにすることが重要なポイントになる
- 痛みに関する非適応的な認知の認知行動療法による変容
- 慢性疼痛患者の多くは、自分の体験する痛みに関して、「決して痛みがなくなることはない」とか「以前のような活動的になることはできない」などといった極端に否定的で、しかも自分勝手な信念や思い込み、予測を抱いていることが多い
- 基本戦略は以下の三段階である。まず、患者は痛みの体験が、いかに思考や信念およびこれらと関連する感情に大きく左右されるかを教育される。次に、患者との面接の中で、あるいは患者の痛みに関する考え方を明らかにするような測度を用いて、あらわになった非合理的な信念、思い込みを確認する。さらに、それらの思い込みの非合理性を、患者との話し合いのなかで至適したり、あるいは生活場面の中で実際に起こった結果と対比させたりしながら、非合理的な信念を知らず知らずのうちに抱く傾向を患者自身がセルフコントロールするコツを見に付けさせる