身体地図のリモデリング

宮田麻里子、竹内雄一 身体地図のリモデリング clinical neuroscience 29(8);895-899;2011

  • 体表面の感覚が脳に表現されたものを体部局在(somatotopy)といい、体性感覚以外にも、網膜部位局在(retinotopy)、音周波部位局在(tonotopy)などが感覚皮質に存在することがわかっている
  • 成熟した身体地図は固定化されたものではない。例えば、四肢切断後に幻肢覚を生じた患者においては、大脳皮質や視床の身体地図にリモデリングが生じている
  • このように、感覚入力が遮断されることにより身体地図がリモデリングされる一方で、感覚入力が限局した体部位に増加しても、身体地図のリモデリングは生じる
  • 求心性入力除去後の身体地図リモデリング現象に関わる大脳皮質内のメカニズムとして、潜在性シナプス結合の顕在化(脱マスキング現象)が挙げられる
  • 身体地図リモデリングが生じると皮質内シナプス伝達の効率が変化する
  • 視床におけるリモデリングは、皮質と同様に脱マスキング現象、軸索発芽現象等だけでなく、皮質からの下行性調節も関与する
  • 体性感覚入力が遮断されると、求心性経路の各階層において様々な変化が生じ、それらの変化が統合されて大脳皮質における身体地図リモデリングを生じる