西原真理、大鶴直史、乾幸二、下和宏、新井健一、牛田享宏 痛みの可視化 脊椎脊髄 2011;24(5):361-366

  • 痛みは臨床的な視点から感覚(sensation)というよりも知覚(perception)と考えた方が理解しやすい。一般的に感覚は末梢の感覚器官を経由し外的環境、身体内部情報を受容するシステムとされ、知覚は感覚から得られた情報を過去の学習、経験、知識と照らし合わせて処理する、より大脳皮質に近い高次の機能とされている。もとより、感覚と知覚は連続しており、分離することに無理があるといえるが、痛みを感じること(特に慢性化した場合)は高次情報処理システムへの依存度が高いと考えられる
  • 可視化の方法論
    • PET
    • SPECT
    • fMRI
    • MRS
    • 大脳誘発電位
    • MEG
    • NIRS
    • 微小神経電図
    • サーモグラフィー、心拍変動
  • 血流量の変化と神経伝達の関連については直接相関するものではないことは重要であり、これがPETやSPECT研究で最も留意しなくてはならない点である。つまり、たとえば局所の血流量が増加した場合でも、興奮性神経細胞、抑制性神経細胞のどちらが多くかつどうしているのかは全くわからないため、その総和である神経活動の変化は「直接的」という意味では捉えられないことになる