慢性疼痛に対する新しい薬物

飯田宏樹、山口忍 慢性疼痛に対する新しい薬物 新しい薬物を含む治療選択の考え方 臨整外 2011;46(4):311-316

  • NNT;numbers needed to treat(有効性)何人に一人効果がでるか(50%の軽減)
  • NNH;numbers neede to harm (安全性) 何人に一人副作用がでるか
  • NNTが小さく、NNHが大きい薬物が使いやすいものと考えられる
  • 抗うつ薬の作用機序
    • 中枢レベル(アデノシン受容体、NMDA受容体、オピオイド受容体)
    • 下行性疼痛抑制系(セロトニン系、ノルアドレナリン系)
    • 末梢レベル(ナトリウムチャンネル、アデノシン受容体、NMDA受容体)
    • 脊髄後角レベル(マイクログリアの活性化抑制、P2X4受容体)
  • 抗うつ薬が臨床的に鎮痛効果を示す機序を効果出現が早い順にならべると
    • 睡眠障害改善に伴う効果(一日から)
    • 下行性疼痛抑制系賦活などの直接的な鎮痛効果(数日―一週間)
    • 抗うつ効果を介した効果(1−2週間)
  • 抗うつ薬の鎮痛効果は、抗うつ作用を示す用量以下で、また抗うつ作用よりも早く鎮痛効果がでることが特徴である
  • てんかん薬 
    • プレガバリン、ガパペンチンの作用機序としては、カルシウムチャンネルのα2δサブユニットに結合しカルシウムイオン流入阻害することによって、興奮性神経伝達物質の放出を抑制すること、またGABA受容体に直接作用はないが、脳内のGABA活性を賦活することによるとされている。