非特異的腰痛のプライマリケア 3

  • p130 鈴木重行 徒手的疼痛抑制法とIDストレッチング
  • 慢性痛症
    • 組織損傷が継続し、侵害受容器の興奮による急性痛が長引いている
    • 組織損傷がなく、侵害受容器の活動も見られないが、中枢神経系の可塑的変化の結果、非侵害的な刺激でも痛みを自覚させるァロディニアが発言している場合
    • 組織損傷は存在しないが、継続的な不活動、過負荷、ストレスなどにより筋緊張亢進、結合組織の粘弾性低下などの軟部組織の機能異常を起こし、その結果、血流低下、疼痛域値低下などにより、局所への圧迫、運動などが誘因となり侵害受容器が興奮する場合
  • 痛みの慢性化は交感神経系の興奮を助長し、末梢血管を収縮させ、末梢組織に血流不全が促進されることで、いわゆる「痛みの悪循環」を引き起こす
  • 非特異的腰痛では、しばしば疼痛発現部位に触ると硬くて、圧迫により当該部位に痛みが再現され、ときには離れた部位に痛みが放散する筋硬結が観察される。また、筋硬結部の過敏点あるいは発痛点で関連痛を生じるポイントをトリガーポイント(Tp)という
  • 非特異的腰痛はおもに筋硬結の病態を有する腰部脊柱起立筋を中心とした、いわゆる筋肉痛を言い換えることができる
  • ストレッチングは筋および結合組織の柔軟性を改善するだけでなく、筋緊張の抑制にも効果的であることを示したものである
  • 痛みを的確に評価するには、まず患者ん歩訴えをじっくりと聞き、痛みの部位を触ることが基本である。
  • 痛みの部位の確認
    • いたみの部位を聞き、指で示してもらう。指一本で示す場合には、その時点でその部位にある侵害受容器が活発に活動していると考えられ、治療はその指の下にある筋あるいは結合組織などが対象となる。手のひらで示す場合、症状が慢性化している傾向が強く、その中でも最も痛みの強い部位を探し出す必要がある。椎間関節あるいは仙腸関節相当部の痛みであっても、関節内に炎症あるいは器質的変化が存在しない場合は、脊柱起立筋群あるいは殿筋群に関与する結合組織からの痛みであることがおおいので、注意深く観察する
  • 筋が関与する痛み発現部位には筋硬結の存在することが多い