笠井裕一 患者の心理・性格と痛み 整形外科看護 2010;15(9):86-88

  • モーズレイ性格テスト Maudsley personality inventory
  • 不安が強いのに、それを上手に表出できない内向的な性格の人が急性疼痛に対して反応が大きいと考えられる
  • 慢性疼痛の患者は「痛みのある自分」としての自己像が出来上がっており、「嫌な痛みがなくなったら困る」と無意識のうちに考えている人が多く、疼痛を自分で治そう(自己治癒力)が働きにく状態であることが多いと考えられている
  • 慢性疼痛の患者性格タイプ
    • 内向的で神経症的傾向が高い自己治癒力希薄型
    • 外交的で神経症的傾向が高い自己治癒力空転型
      • 劇情型の性格、難治、医療従事者の粘り強い努力が必要
    • 内向外向性が平均的で神経症的傾向がない自己治癒力潜在型の3つに分類した
      • 労災や交通事故による補償を切られたくないために、自己治癒力をわざと使わない状態にある 環境改善
  • われわれ医療従事者は、患者の痛みの程度と性状をしっかり汲み取る努力が重要である。また、患者の痛みを身体的な痛みだけでなく、患者の心理や性格も考慮して、精神的、社会的な痛みとして全人的にとらえる必要性があり、言葉の表現だけでなく動作や疼痛行動なども含めて、十分な患者の観察を行うべきである