- リエゾン治療をおこなった身体表現性障害22症例のうち、11症例に発達障害の併存が認められた
- 神経学的に説明が困難な慢性疼痛には、発達障害の問題が併存している可能性が高いと考えられる
- 発達障害とは、DSM-IV診断では、PDD(pervasive developmental disorders;広汎性発達障害),ADHD(attention deficit/hyperactivity disorder;注意欠陥/多動性障害),精神発達遅滞の3つが大きなカテゴリーとして重視されている
- 知的遅れのない場合を軽度発達障害と呼ぶが、周囲の人には「だらしない」「わがまま」であると映り、「障害」であるとは認識されにくい
- どのような患者に発達障害の併存を疑うのか、上記11症例からその特徴をあげると、「限定された対象に強いこだわりを示す」「物事に本人独自のルールがある」「幼少期から“変わった人”と評価をうけてきた」「学業成績の教科間でのばらつきが大きい」「家族集積性がある」というような傾向が認められた
- MRI 脳構造の中に軽度の低形成を示すことがある
- 脳波 成人後も全般性のα波が残存することがある
- SPECT 脳全体の各部位で、相対的に血流低下している部分と増加している部分が認められる