伊藤義徳 慢性疼痛ケアへの願望 ー痛みのある自分らしい生き方を探して こころのりんしょうア・ラ・カルト 2009;28(1):
- 文脈的認知行動モデル
- 慢性疼痛の悪化、持続要因は「回避と制御」「認知的フュージョン」「理由づけ」「正しくあること」の4点である
- 回避と制御 痛みを抱える人は痛みを回避する行動をとる。痛みを回避するためには常に自分のなかに生じる痛みを監視し続ける必要がある。痛みに向く注意が過度になることで、ちょっとした痛みさえ恐ろしい物と評価する「痛みの破局化(catastrophizing)」が生じ、これが症状を持続させる対処行動の引き金となる
- 認知的フュージョン 痛みのせいで自分の人生は台無しだ
- 理由付け なぜ痛いか常に考える。原因の分からない苦痛や恐怖は不安をかきたてる。そうした不安を打ち消すために、慢性疼痛患者は特に身体的障害にその原因を求める
- 正しくあること 自ずと相手のイメージに一致した患者としての行動をとろうとする
- CCBTの介入
- 「気付きと視点」「疼痛行動と社会的影響への気付き」「マインドフルネス」「認知的脱フュージョン」「ウィリングネス」
- 「勝ちの分類」「文脈の中での価値」「価値に基づく行動」
- CCBTでは、痛みがありながらも自分自身の人生を全うするために、価値(value)を見つけることを重視する
- 慢性疼痛に対するACTは、痛みを受け入れることの援助から、痛みがありながらも価値に基づきながら日々の営みを全うすることの援助へとその力点をうつしつつあるようである。