紺野慎一 痛みとドパミンシステム ペインクリニック 2010;31(3):281
- 半場道子
- 痛み刺激が加わると腹側被蓋野から大量にphasic dopaminが放出される。Phasic dopamineの放出により、側坐核や腹側淡蒼球でμオピオイドが賛成され痛みが抑制される。このシステムを dopamine systemと呼ぶ
- Phasic dopamineの放出は、痛み刺激のみではなく、快感や報酬の期待によっても起こる。
- 痛みは以下のpleasureにより抑制される。好きな匂いやイメージ、好きな音楽,好きな食べ物などは、明らかに痛みを抑制する効果が認められる
- 一方、抑鬱、不安、ストレス等が存在するとphasic dopamineは痛み刺激に十分に反応せず、その結果μオピオイドはきちんと産生されず、痛みの抑制機構が働かない。
- ストレス、不安、うつ等が存在すると、海馬からtonic dopamineが放出される。Tonic dopamineが増加すると、痛み刺激に対するphasic dopamineの反応性は低下し、十分なμオピオイドが産生されなくなり、痛みは増幅されていく。