菊池臣一 痛みの臨床 21 腰背部痛の診断とその対処法 日医雑誌 2010;138(11):2306-2307

  • 慢性腰痛の場合には、単独で有効性が立証された治療法はないのでが現状である。現時点では、共感を示して激励する。そして、自ら実践的運動療法を指導する。この場合、運動の種類は問わない。継続することが大切であることを話す。医師は、cureでなくcareの視点から治療を行うことが肝要である

林田眞和 痛みの臨床 22 手術後の痛みの診断とその対処法  日医雑誌 2010;138(11):2308-2309

  • 術後2−3ヶ月以上遷延する疼痛は、術中の神経損傷が原因の神経障害性疼痛、遷延する疼痛にともなう運動障害が原因の筋筋膜性疼痛、2次性の心因性疼痛などが混在して生じる
  • 末梢での持続的な痛み神経の活性化は、脊髄後角や視床など中枢神経系での機能的、構造的変化(可塑性変化)を生じ、中枢神経の痛み伝達ニューロンの興奮性を高める(中枢性感作)。患者によってはこのような変化が持続し、神経障害性疼痛を生じる
  • 慢性術後疼痛への移行の危険因子として、術前から存在する強い疼痛、強い急性術後痛、神経障害を生じる可能性の高い術式がある。