平田和彦、比嘉和夫 帯状疱疹痛への神経ブロック療法は有効か? EBM ジャーナル 2005;6(4):472-476
- 侵害受容性疼痛
- 生理的痛み、侵害受容器の興奮により発生する痛み。抜歯後、打撲、切り傷、炎症の痛み
- 神経因性疼痛
- international herpes manageent forum 2002/11 帯状疱疹急性期の治療のガイドライン
- カテゴリー1 (RCT)
- 抗ウィルス剤の皮疹発症72時間以内の等良いより皮疹の拡大が抑制され、ゆう痛期間の短縮が得られる
- ステロイド薬の投与により急性期の疼痛を軽減する。しかし、帯状疱疹後神経痛の発症頻度は減少させない
- 局所に外用する抗ウィルス剤の適応はない
- カテゴリー2 (非RCT,etc)
- TCAの帯状疱疹急性期からの投与により帯状疱疹後神経痛への移行を防止する効果が期待できる
- 肺炎、多発病変が明らかな場合は静脈内のアシクロビルを投与する
- カテゴリー3(expert opinion etc)
- 帯状疱疹を発症した患者が発症からなるべく早期に医療機関を受診することを勧めることが大切である
- 帯状法信吾神経痛に移行する危険因子を評価すること
- 有効かもしれない治療 交感神経ブロック、コルチコステロイド、抗うつ薬、ガバベンチンおよびオピオイド
- ファンシクロビル750mgの一日一回投与は有効性は明らかでない
- 神経ブロッックは主要な位置づけをされておらず、国際的に標準化された治療とは見なされていない
- 諸外国では神経ブロックの手技料が安価ではないこと、入院費が高く入院を要するような持続硬膜外ブロックの実施が困難である
- 日本はすぐれた保険制度のもとに比較的安価に神経ブロッックを受けることができる恵まれた国であり、神経ブロックを行っている医師も多い。今後我が国から優れたランダム化試験の報告が数多くなされることを期待したい。