ペインクリニック 2003;24(10)の特集は「慢性疼痛におけるチーム医療の実践と課題」
有田英子、花岡一雄 東京大学医学部付属病院麻酔科痛みセンターでの実践と課題 ペインクリニック 2003;24(10):1336-1343
佐藤英俊、十時忠秀 メイヨークリニックをモデルにした慢性疼痛に対する集学的治療の実践と課題 ペインクリニック 2003;24(10):1344-1351
- メイヨークリニックでは1974年より精神科内にpain management centerを設立し、慢性疼痛患者に対して痛み自体を取り除こうとする治療ではなく、日常生活および社会生活に視床をきたす要因となっている痛み行動を軽減する治療を導入してきた
- メイヨークリニックでは Fordyceの提唱したオペラント条件付けに基づいた学習理論を慢性疼痛の治療に導入した
- オペラントとは、周囲の状況に働きかけて反応(報酬や罰)を引き起こす随意運動で、オペラントの頻度は反応の性質により変化する
- この理論の応用によって、患者の誤った認知行動パターンが修正されて、患者は痛みに支配された生活から痛みと共存する生活へと転換できるようになる
- pain management program 3 week
- 慢性疼痛の治療目標 mayo
- 痛みを人生の一部として受入れ適応する to cope with pain
- 痛みを人生の伴侶とする to live with pain
- 痛みにもかかわらず充実した人生を歩む to enjoy life with pain
- 佐賀医科大学付属病院、佐賀県立病院好生館での集学的治療
- 慢性痛の患者に特有の否定的で誤った認知行動パターンを修正しながら、肯定的で現実に即した視点を持てるように援助する
- 日常生活を阻害しているものは、痛みそのものより、痛み行動に起因し、派生していることが理解できる
- mayoの3週の通院ペインマネジメントプログラムの費用は約一万ドル、入院は2万ドル
- 総合病院という形態のなかですべて解決しようとする一病院完結型では、1コストがかかりすぎること2マンパワーの確保が難しいこと3診療行為に見合う対価がないことなど大きな壁に直面している