重田理佐、濱田秀伯 痛みの精神症候学 臨床精神医学 2008;37(1):29-32
- 精神科で痛みが問題となる場合の一つは心因性疼痛。もう一つは様々な精神障害に伴う痛み
- 痛みの分類 侵害受容性、神経因性、心因性
- 疼痛障害
- DSM-I,II 情緒的原因によって起こった身体症状が心理生理学的障害に記載されている 原因は心因性とされたが診断基準は示されず
- DSM-III 心因性等通称街 心理的な要因にかかわると判断され、しかも痛みの原因となるような器質的な病理が見いだせないか、器質的な所見があったとしも痛みの訴えの説明には不十分な場合
- DSM-IIIR 身体表現性疼痛障害 診断基準に少なくとも6ヶ月以上の痛みへのとらわれpreoccupationを加え心理的な要因を削除した
- DSM-IV 疼痛障害には心理要因が再び診断基準にはいり、持続期間6ヶ月未満の急性型が加えられた
- DSM-IV-TR
- DSM-IV,DMS-IV-TRでは、心理要因と身体疾患の関連から、心理要因と関連した疼痛障害、心理要因と一般身体疾患の両方に関連した疼痛障害、一般身体疾患に関連した疼痛障害の3型に区別されている
- じっさいには身体要因を全く欠く場合は少なく、これら2つが混じり合っている例が大半を占める
- ICD-10 持続性身体表現性疼痛障害 persistent somatoform pain disorder
- 精神障害と痛み さまざま精神障害に慢性疼痛が高率に合併
- 大うつ病、薬物依存症、転換障害
- 解離障害、心的外傷後ストレス障害、疼痛障害以外の身体表現性障害、摂食障害、統合失調症、特に緊張病、非定型精神病、妄想障害、パーソナリティ障害
- 統合失調症患者は痛みに鈍い 統合失調症にみられる無痛、痛みへの関心の乏しさは身体精神離人症によることが多い