池本竜則、牛田亨宏、谷口慎一郎、谷俊一、森尾一夫、田中茂樹 痛み改善に伴う脳活動の変化 fMRIによる検討 Pain Research 2005;20:111-115

  • 痛みは末梢からの侵害受容刺激により要素だけでなく、神経系の異常などにより修飾されたり、心因性の要素が関わるなど、複合した要素から成り立つため、個人差が大きくなっているものと考えられる
  • 健常者の前腕にカプサイシンクリームを塗って痛みを誘発し、fMRI
  • fMRIの画像解析結果では熱刺激に対する反応として、視床、前帯状回BA32、補足運動野BA6、前頭前野BA9に有意な活動
  • 痛みの大きさと脳活動の大きさには明らかな相関はみられなかった
  • NSAID内服後のfMRI 視床のみに活動がみられていた。前帯状回、補足運動野、前頭葉領域の活動は消失していた
  • 今回の実験結果から、カプサイシンによる熱過敏性疼痛に対するLOXの鎮痛効果は、脳内における前帯状回、補足運動野、前頭前野等の活動消失または減弱というかたちで客観的に捉えることができた。
  • しかし、痛みが不快な情動体験であるならば、内服後にも前帯状回などには活動が残存するのではないかと考えられる
  • Iadarola カプサイシン前腕皮下注 視床、前帯状回、補足運動野の等の脳内神経活動の亢進を捉えいる
  • Baron カプサイシンによる2次痛覚過敏に対する痛み刺激では、非侵害刺激に比べて前頭前野の広範な領域で活動が上昇