テキスト臨床心理学 3 (3)

テキスト臨床心理学 3 (3)

p212-p215 #13-5 痛みのマネジメント

  • 痛みの経験の引き金となる刺激と痛みの実際の感覚とは、一対一の関係ではない
  • 戦闘状態にある兵士は、銃弾によって傷ついたとしても、生き残り、敵に反撃しようと必死で戦う。そのため、事態が収まるまで、その痛みを感じない
  • もし人が痛みを与える刺激から注意をそらすならば、刺激があっても、その人は痛みを経験しないか、あるいは、少なくとも酷いものとは感じないようにできる
  • それが急性の痛みでも慢性の痛みであっても、注意をそらすことは、痛みのコントロールに関して重要である
  • 人が受け取る注意資源は、限定されている。そのため、一つの入力ルートに注意を向けた場合、他の入力ルートの処理は妨害されるのである。この人間の限界が、痛みを経験する際には肯定的な利点をもたらす。
  • 注意をそらす以外の痛みを減らす要因として、不安の低減、楽観主義、自己コントロール、自ら従事していることへの使命感などがある
  • 慢性的な痛みは、急性の痛みから発展し、治療が終了した後、すなわち、痛みを与える刺激が存在すると仮定する理由がほとんどないときに経験する痛みである。
  • 慢性的痛みを理解するためには、痛み、つまり痛みを与える刺激の知覚(急性の痛みのように)と、苦しみと痛み行動とを区別することが有効である。
  • 苦しみは、痛みを与える刺激に対する情動反応である。したがって愛する人が亡くなってしまう場合のように、痛みを刺激するもの自体がなくなっても存在しうる。
  • 痛み行動は、痛みや苦しみに関連する観察可能な行動である。(うめき声をだす、歯を食いしばる、イライラ、活動性の回避)
  • 慢性的痛みに対する介入では、人が痛みを実際に経験するかどうかよりも、苦しみや痛み行動に焦点をあてる。
  • 痛みに負けて動けなくなるのではなく、痛みに屈せずい痛みを持ちつつも活動することが推奨されるのである
  • 慢性的な痛みに対して適切な対処ができたなら、活動や機能を増す。そして、そのかっかとして、実際の痛みの経験が減少することさえある。
  • 痛みに関する古典的な研究において、背中のいたみに対処するためには、伝統的な医学的治療よりも、行動に介入する方が優れていることがしめされている。