- 作者: 小牧元,福土審,久保千春
- 出版社/メーカー: 協和企画
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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p178-p203 #8 慢性疼痛
- 1986 国際疼痛学会 痛みは組織の実質的あるいは潜在的な障害に結びつくか、このような障害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験である
- 慢性疼痛を器質的か心因性かの二つに区分することは本来、無意味であることを、国際疼痛学会の定義が示している。
- fMRIの進歩より、前帯状回や島皮質などの大脳皮質が痛みの認知に役割を果たし、痛みの不快な情動体験に寄与することが明らかになってきた
- 患者の中には疼痛と心身医学的因子との関係(心身相関)に気づかない、あるいはそれを認めないという人もいる
- 慢性疼痛の治療は、痛みの完全な除去ではなく、痛みを受容してその自己コントロール感を獲得し日常生活の行動範囲を広げ社会生活への適応を改善していくことを目標にする
- 最近では痛みが単に潜在する組織の損傷病変のみでなく、認知、感情、行動というものに影響をうける複合した多次元の経験だとする考え方を基礎にした認知行動療法が国際的に重要な治療法として認知され、効果を上げている。
- 慢性疼痛が難治遷延化している場合、家族システムにも異常をきたしていることが多く、患者が治療中あるいは治療後適応していく家庭や職場での社会生活機能を評価することが重要である
- 病態仮説
- テルネリンはSSRIのルボックス、デプロメールと併用すると血中濃度が著明に上昇するので併用禁忌
- 疼痛行動に対して治療者が怒りや不快感をあからさまにすると、患者が問題を医療者の問題に転換して疼痛行動の維持に利用されてしまうので慎むべきである