小柳貴裕 脊椎脊髄外科の統計学(8) 生存分析その1 脊椎脊髄 1999;12(1):45-49
- 観察期間の異なる全部の症例の結果を無駄にすることなく、生存している例や消息不明例、すなわち途中打ち切り例(censored data)をも分析の対象に含めて分析する方法が生存分析
- endpoint 死ははっきりしている 再置換日は種々の事情が関与するので問題あり 恣意的な要素が関与するendpointは注意
- 打ち切りcensor 不良例が他院に流れたりして打ち切りが多くなると、生存率低下分が小さくなり、累積生存率が高めに降れる恐れがある。したがって消息不明例が多いと実際よりも成績がよく出てしまう嫌いがあり、追跡率はできるだけ高くあるべき
- Kaplan-Meier法より50%生存期間がでる
- 生存率の計算にはActuarial methodもある
小柳貴裕 脊椎脊髄外科の統計学(9) 生存分析その2 脊椎脊髄 1999;12(2):119-124
- 2群間の生存期間の差の検定
- Mantel-Haenszel検定
- Logrank法 種々の亜流がある ハザート比が一定であることが条件
- Gehan-Breslow検定(一般化Wilcoxon法)
- GehanまたはLogrankを使用しその2つともが有意確率0.05以下で初めて有意であるとするのが常道であろう
小柳貴裕 脊椎脊髄外科の統計学(13) 比例ハザードモデル 脊椎脊髄 2000;13(12):1101-1108
- 比例ハザードモデルでは、生存期間が重要な変数であり、打ち切り例においては、打ち切りまでを生存として標本に含めることができる
- 変数選択の条件
- 目的変数の予測に役立ちそうなこと
- 他の説明変数との相関が小さいこと
- 解釈、測定が容易なこと
- 変数の選択の検定は尤度比検定ゆうどひ(likelihood ratio test)
- 手術例のみの検討 compromized hostに対する手術では、初期には手術の影響が大きく、晩期には手術の影響がなくなる点からハザード比が一定になりにくく、手術の有無は比較の検討になりにくいことが推察される
- 素人だからいえることだが、統計には知らないうちにさまざまなbiasが絡み、純粋な比較など不可能に近い。より高次な医療期間ほど難治例、重症例が集まるはずであり、例えばおない頸髄症でも高次機関の方が単純な成績はより悪いことも十分にあり得る
- 医は心であり、統計処理が跋扈しているようでは医療は迷走、が著者のdogmatic beliefである