p58 関口美穂,紺野慎一, 菊地臣一 慢性痛に対する整形外科的アプローチ

  • 画像上の変化が症状と直結しないという事実に留意する必要がある
  • 画像検査は、重篤な疾患や外傷の除外以外には診断の価値は高くないといえる
  • 症状の増悪や遷延化には、従来我々が認識していた以上に早期から、心理社会的因子が深く関与している
  • 治療計画
    • 治療のゴール設定を、従来の痛みの消失にしないことが大切である
    • 治療計画としては痛みの軽減を目的にするだけでなく、疼痛の意味を尋ね、患者の生活上どのような障害があるか、という視点に立つ必要がある
  • placebo効果
    • 手術のような強い介入では70%に達する
    • placebo効果は医師患者の信頼関係があり、治療意欲のある患者で良好である
  • 今日求められているあらたな医療体系は、まず主体的医療の実施である。受け身の治療でなく、患者自身も治療方針の決定や治療に積極的に参加して、医療従事者とともに疾患に立ち向かう
  • 支持的精神療法
    • 医療従事者側が患者の痛みの原因となる器質的異常の有無にかかわらず、それを事実として受入れ、共感する
    • 痛みの慢性化の機序を患者とともに考えていく
    • 治療のゴール設定を従来の痛みの消失にしない。現在の痛みが続くことを前提に、患者自身が痛みを自己管理し、生活機能を回復し、通常の生活を送れるようにすることをゴールとして設定