現在収集中のデータ解析で生存時間分析が必要。

それについての文献をあつめ、読んだメモ

#1 佐藤俊哉 ヘルスサイエンスのための統計科学4 初歩の生存時間解析 医学のあゆみ 1995;173(12):987-993

  • 生存時間解析 何か反応がおこるまでの時間をエンドポイントとした場合のデータ解析
  • 打ち切りデータが存在する場合に生存時間の平均値や中央値を計算することは問題である
  • 比、割合、率を混同しない
    • 比 ある量を別な量で割った値 分子と分母は単位が異なっても構わない
    • 割合 分子が分母に含まれる分数、必ず0から1の間の値をとる 次元は持たない
    • 率 変化の速さをあらわす比
  • ある時点での生存率 ある時点での生存者数/研究開始時の人数 これはあきらかに率でなく、割合 生存割合とすべき
  • 2グループの悪化率の比は時間に関わらず一定という条件の下で、死亡率の比を推定する方法がcox 比例ハザードモデル
  • 2グループ間での死亡率の比較 ログランク検定、一般化Wilxozon検定
  • 一般化Wilxozon検定 研究開始後に死亡率が異なると検定結果が有意に成り易い性質あり

#2 高木廣文 ヘルスサイエンスのための統計科学9 多変量の生存時間解析 医学のあゆみ 1995;173(12):987-993

  • 生死に影響する変数が治療法のように、1つしかない場合 ログランク検定
  • 核種の要因の生死に対する影響を分析する Coxの比例ハザードモデル
  • その瞬間におけるハザード(瞬間致命率、死亡率)
  • 多重ロジスティックモデルは時間の概念が入っていない
  • Cox比例ハザードモデル 時間を考慮し、かつ多変数を扱える生存時間解析
    • 各変数の死亡に対するハザード比やその信頼区間を求め、変数のリスクについて検討を加える
    • 求めた信頼区間に1を含まなければ、その変数のリスクがあると統計的に判断
    • 比例ハザードモデルによる生存時間解析を行った場合、もとめた生存関数が、Kaplan-Meier法によるるいせき生存率と大幅な食い違いがないことが望ましい

#3 佐藤暁洋、石塚直樹、福田治彦 生存時間に関するエンドポイントについて 癌と化学療法 2003;30(8):1057-1064

  • イベントはその観察対象に関して一度だけ非再帰的に起こる現象と定義される 死亡、再発、増悪、治療中止など
  • 生存時間を用いる際の落とし穴
    • 生存時間の特徴の一つは、ある時点までイベントが起きていないというデータを打ち切りcensoringとして扱うことができること
    • 打ち切りの方法によってはバイアスが生じる可能性がある
    • 打ち切り時にイベントの有無が十分に観察されている場合 情報のある打ち切り informative censoring
      • 情報のある打ち切りによるバイアスはどちらの方向に傾くか不明
    • イベントの有無がわからなく成った場合の打ち切り 来院しなくなった
    • 現病死をのみをイベントとし、他病死は死亡日で打ち切りとする、いわゆるcause-specific survival
    • 打ち切りとする時点はその患者でいづれの事象の発生しないと確認された最後の日とすべきである