柿木隆介 ペインイメージング 医学のあゆみ 2004;211(5):449-452

  • Aδ線維を上行するfirst painに関連する脳活動
    • 刺激対側半球では島、帯状回および視床SII これらの部位がヒトの痛覚認知に重要な役割を果たしている
  • SIIは侵害性刺激の性質認知にかかわり、島はその情動的認知にかかわるのではないか
  • 視床-SI-SIIの経路が刺激なdiscrimitiveな側面(刺激の部位、強さ、種類)にかかわり、視床-島-帯状回および前内側部側頭葉の経路が情動面や刺激に対応する行動にかかわるのではないか
  • C線維を上行するsecond painに関連する脳活動
    • sensation perception 視床、SI,島
    • attention 帯状回前部
    • descending pain control 中脳脳室周囲灰白質
    • sensory-motor integration 補足運動野、被殻、島、小脳、中脳上丘
    • C線維刺激による脳磁図反応の特徴的反応は、核制度の変化と注意効果による変化がきわめて大きい
    • second pain,すなわち内臓痛や癌痛に対して心理療法の効果が大きいことを示唆

久保千春、千田要一 心因性疼痛 医学のあゆみ 2004;211(5):600-603

  • 患者が心理社会的要因を認めようとしなかったり心身相関に気づかなかったりすることも慢性疼痛の特徴のひとつ
  • もっとも重要な慢性疼痛の治療 認知行動療法 4つの観点
    • 痛み制御感 pain control belief
    • 自己効力感 pain-efficacy belief
    • 恐怖回避感 fear-avoidance belief
    • コーピングの形式と戦略coping styles
  • 痛みの否定的な見方に焦点を合わせた破滅的な感じ方を積極的な痛みとのつきあい方に置き換えていく
  • private emotional disclosure
  • 心身症診断治療ガイドライン2002
  • 痛みに伴う態度行動(疼痛行動)を治療の対象と考える行動論的立場
  • 治療目標は痛みを受容し、その自己コントロール感を獲得し、日常生活の行動範囲を広げ、社会生活の適応障害を回復していくこと
  • 基本的な治療姿勢は患者の訴えに対し受容的共感的態度で接すると同時に、身体的治療を行いながら良好な医師患者関係を形成すること