柿木隆介 クイックペインとスローペインの脳内メカニズム 神経内科 2007;67(5):397-403

  • 脳磁図は時間分解能が高く、初期反応の時間的情報を得るのに適している. fMRIは空間分解能が高いので詳細な活動部位の解析に適する
  • 脳磁図による研究
    • SI活動 主に刺激部位の同定に関わる 触覚の際には2つの異なるSI領域(3B野と1野)が連続して活動、痛覚では1野しか活動せず
    • SIIは侵害刺激の性質認知に関わり、島はその情動認知に関わるのではないか
    • 視床-SI-SIIの経路が刺激のdiscrimitiveな側面(刺激の部位、強さ、種類)に関わり、視床ー島ー前部帯状回および前内側部側頭葉、の経路が情動面や刺激に対応する行動にかかわるのではないか
    • C線維刺激による脳波、脳磁図反応の特徴的な変化は、覚醒度の変化と注意効果による変化がきわめて大きいー内蔵痛や癌痛にたいして心理療法の効果が大きいことを示唆する
  • fMRIによる研究
    • pACC(前部帯状回の後部)の活動は痛覚強度と相関し、pACCの背側の活動は認知や情動に関連が深い
    • second pain 認知がfirst pain認知よりも情動に関係が深いことをしさ
    • 痛そうな画像をみただけでもpACCと島が活動することを明らかにした