- 腰痛 従来の生物学的損傷という捉え方から、生物心理社会的疼痛症候群という捉え方へ変わってきている。また形態学的異常という従来の捉え方から、目に見えない機能障害を伴った器質機能障害という捉え方へ変わってきている
- 腰椎椎間板ヘルニアで手術を受けた人と無症状の人との差
- 不安の除去が治療成績や満足度を上げる
- 腰痛は心理的問題と密接に関係していて、問題は椎間板が壊れるとか椎間板が傷つくなんてことよりも、心理的に自分がある状況に対応する技術が下手なために、結果として自分の身体表現の場としての腰痛を選ぶ
- 重いものをもったから、仕事の量が多いからというものは、必ずしも腰痛の発生には関係ない
- 現代の我々の医学的な知識では理解不可能な、非合理的な腰痛も存在するということを認める必要がある
- BMJの巻頭言 限られた医療資源が適切に使われているかどうか、医師は社会への説明責任がある
- OA kneeの関節鏡治療の論文
- 皮膚を切開したのみ、切開して関節鏡をいれて洗ったのみ、関節鏡で治療した群でその治療を他のひとにも勧めると全員がいったのは、皮膚を切開したのみの群であった われわれがよかれと思ってやっていることが、必ずしも患者さんにとってよかれとは受け止められていないことが明らかになった
- 何も治療法がない時には、触ってあげればよい。
- 医療がすべて科学的に立証された内容から構成されている訳ではない
- マッサージという行為それ自体が治療効果を発揮していることに注意すべきであろう
- われわれにできるのは、患者さんの病気の苦悩にたいして共感を示し、患者さんに頑張る勇気を与えてやることだ
- 慢性腰痛への対応
- 患者さん自身が腰痛に非常に悩んでいる
- 周囲の無理解に対する患者さんの絶望や怒り
- 生物心理社会的疼痛症候群
- スクリーニング手段の欠如
- 治療手段の明確なマニュアルがない
- 今の診療報酬体系では報われない
- 新しい概念による腰痛の治療
- 安静の排除
- 信頼関係を作る努力 心理社会的背景をみて患者さんの内面に入り込む必要 多面的集学的アプローチ
菊地臣一 腰痛をめぐる常識のウソ 整形外科 2003;54(3):323-328
- 腰痛に限らず、整形外科の疾患では診断基準の設定と診断手技の信頼度の検証が十分に行われていないのが実状である
- 腰痛 脊椎の障害というとらえかたから、生物心理社会的疼痛症候群へ、そして形態学的異常という従来の捉え方から形態機能障害という変化
- 形態学的異常にたいして手術による除圧、固定、そして変形矯正で対応できても、それで患者の愁訴がすべて解消できる訳ではない。手術で治せるのは形態学的異常であって、症状ではない。