町田英世、工藤卓、吉川悟、中井吉英 外在化技法を用いた慢性疼痛の治療 心身医 2000;40(2):136-141

  • 複雑化していても疼痛行動の最も影響を及ぼし得るのは、必然的に関わることの多い家族や治療者であろう
  • 問題の外在化
  • ゲートコントロールの模式図から、ゲートのtermをつかって問題の外在化をおこなう
  • 何度検査しても患者の痛みの原因が特定できないために、妻の気持ちのありようや性格に問題を内在化させる相互作用が、夫や治療者などとの間で強化されてきたものと考えた
  • 痛みが情動によって影響をうけること、その影響は脊髄にあるゲートにより調節されうると説明
  • リラックスした時や楽しいときに痛みが少ないのは、脊髄のゲートがとじて、脳に伝わる痛みの情報が少なくなるから
  • 問題に対してなんらかの効果的な対処をしてきたエピソードを探す
  • よりコントロールできるためになにができるのかについて話し合い、新しい有効な対処方法の可能性について質問
  • ゲート小さくできている日常生活が語られるようになる
  • 病因論の視点では、まず患者に存在するとされる病因を診断してからのち治療が行われる。すなわち病因が特定されない限り治療は始まらない
  • 器質的疾患との相関がはっきりしにくい心身症領域では、患者の病識と家族や治療者の間に症状に対する認識のづれそののもが二次的な問題と化し、治療者を含めた関係者の主観的でしかない患者の心因性とか性格に病因を求め、問題を患者に内在化させてしまうという悪循環に陥り易い
  • 患者自身に問題が内在化されている状態から解き放たれた時、非難や罪の意識は取り除かれるのである
  • 治療者は患者家族とともに共同関係をつくり、患者や家族が本来の主体性を発揮し易いように問題を再構成する姿勢にあるといえよう