慢性疼痛3

内田 樹 

  • 自己利益追求ために人々があまりに要求をつり上げ、他者に対して過度に不寛容になると、社会システムが機能不全に陥ることがある。

斎藤清二 慢性疼痛とナラティブベイストメディスン 慢性疼痛 2003;22(1):9-15

  • NBM 1998 グリーンハル、ハーウィッツ monograph BMJ books
  • 病気を、患者の主体的体験である病いillnessと、客観的に証明できる病理学的実態としての疾患diseaseに分けて考え、前者を重視
  • 患者を主体として尊重
  • 患者の説明モデルはかならずしも一つでなく、対話のなかで刻々と変化する
  • 本質的に非線形なアプローチ
  • 治療者と患者との対話を、治療の重要な一部であるとみなす
  • 実際
  • ここに来られるまでのいきさつを教えて下さい
  • いま一番つらいことはなんですか
  • 症状を完全になおすということを治療の目標とするのではなく、症状をもちながらでも日常生活をもっと良い状態で過ごして行けるようにしようとする考え方です
  • 語られなかった物語りを語ることができるようになる

藤武、木道圭子 慢性疼痛に対するpsychotherapy 慢性疼痛 2003;22(1):25-31

  • 病気行動 illness behavior 社会学者 Mechanic
    • 病気に際して病人が症状に関心が向き、援助を求める行動の相対をいう
    • 医療者は患者の年齢や社会文化背景を考慮し、十分な時間をかけ、わかりやすい言葉や方法を用いて、健康状態の維持や管理に関するアセスメントを行い、患者にみられる異常な体験思考気分行動の改善に努めると
  • 病者役割 sick role
    • 人は社会的な役割を十分に遂行できなくなった時、社会は病者としての役割を認めることで対処するという病者役割の概念
  • 癌末期の患者の4つの痛み 身体的、精神的、社会的、霊的痛み
  • object loss
    • 本来は愛情や依存対象の喪失を意味する精神分析用語
    • 医療場面では、慢性疼痛によって失われる人間関係、病気手術事故などによる身体的喪失、身体機能の障害、身体的自己像の損傷なども含まれる
  • ペインクリニック外来患者は、自分の痛みを身体的なものとして捉え、心理社会的問題を認めたくない傾向が示唆された
  • 患者と行って下心的距離を維持し、患者の挫折や失望を受入れながら、乗り越えらるように援助できる第三の目をもった治療者でなければならない
  • 慢性疼痛患者の場合、痛みという疾患だけを対象とするのでなく、痛みに苦しんでいる病人という人間全体である
  • Alexithymia
    • 自らの情動を述べるのに適切な言葉をもたない
    • Wise 感情抑制、Alexithymia,病気行動はそれぞれ密接に関連