谷川浩隆 慢性疼痛にたいするリハビリテーション 痛みと臨床 2007;7(1):65-70

  • 慢性疼痛 
    • 心理社会的要因が深く関与
    • 患者は自分自身の身体症状の原因が器質的なものであると強く確信している
    • 心療整形外科 心因性の運動器機能障害について、心身医学的な視点からのアプローチが整形外科でも必要とされている
    • 疼痛により筋緊張が高く、関節拘縮をきたしている
    • 温熱療法 可動域訓練等の理学療法

武政龍一 運動療法 慢性腰痛を中心として 痛みと臨床 2007;7(2):116-123

  • 慢性腰痛と腹筋背筋力などの体幹筋力の低下が密接に関連
  • 腰痛に対する自己管理力を高める 
  • 運動療法 4種類の運動 体幹筋力の増強とストレッチング
  • 施行上の注意
    • 1 set 10回一日2−3セット stay active
  • できるだけ数値で表される指標を用いて運動の効果を患者が自覚できるような手段を併用する
  • 効果の発現は一ヶ月以上
  • 腰痛自体の改善よりdisabilityの改善効果の方が相対的に良好

境洋二郎、小山徹平、丹羽真一 慢性腰痛に対する認知行動療法 痛みと臨床 2007;7(2):155-164

  • 慢性難治性の腰痛で、心理社会面を含めた心身医学的なアプローチが有用なときがある
  • 認知行動療法は、行動認知感情環境身体症状など取り巻く状況を包括的に理解し介入する方法
  • 疼痛閾値には個人差があり、障害の程度と痛みの強さが相関しないこともあり、痛みが社会心理的因子と関連していても心身相関に気づかない、またはそれを認めたくない患者も多く、治療者が患者に陰性感情を持つこともある。
  • 症状が意図的に作り出されたり、ねつ造されたりした虚偽性障害詐病以外の病態の患者では、痛みの苦痛をもっており、診察に際してまず痛みに関する訴えを支持的に傾聴し、良好な患者ー医師関係を構築することが重要である
  • 認知行動療法とは、個人の行動と認知の問題に焦点を当て、そこに含まれる行動上の問題、認知の問題、感情や情緒の問題を合理的に解決するために計画された構造化された治療法と定義されている
  • 腰痛の発症した原因を探るより、その腰痛が慢性的に持続している要因を探ることのほうが有用であることが多い
  • 自分の感情がどうであるか気づかず、またそれを言語表現することができにくい状態をアレキサイミア(失感情症)といい、心身症患者には概して多いと考えられる。