笠原諭

慢性疼痛の臨床に必要な心理社会的評価尺度 MPI

笠原諭、松平浩、荒瀬洋子、村上安壽子、高橋直人、矢吹省司 慢性疼痛の臨床に必要な心理社会的評価尺度 MPI 最新精神医学 2017;22(2):103-108 MMPI 556問の質問から成り、また精神病傾向を問う質問も含まれており、設問数と設問内容が患者と治療者の関係を…

原因不明の慢性疼痛に対する行動療法

笠原諭 原因不明の慢性疼痛に対する行動療法 精神看護 2018;21(1):44-61 痛みの存在を周囲に知らせるためのこうした行動を「痛み行動」といいます。 慢性疼痛では体のダメージがないにもかかわらず、アラーム信号が鳴り続けていると脳が勘違いしている状態で…

薬物で解決できない慢性疼痛

笠原諭、國井泰人、丹羽真一 薬物で解決できない慢性疼痛 精神科からの提言 臨整外 2017;52(1):76-79 筆者の慢性疼痛外来で合併するパーソナリティ障害 強迫性(39%)、依存性(22%)、演技性(14%) C群の強迫性パーソナリティや依存性パーソナリティは、わが国で…

慢性疼痛の臨床に必要な心理社会的評価尺度 MPI

笠原諭、松平浩、荒瀬洋子、村上安壽子、高橋直人、矢吹省司 慢性疼痛の臨床に必要な心理社会的評価尺度 MPI 最新精神医学 2017;22(2):103-108 MPI;Multidimentional Pain Inventory 認知行動療法を慢性疼痛患者に適応する際に、直接的にターゲットになるの…

薬物で解決できない慢性疼痛

笠原諭、國井泰人、丹羽真一 薬物で解決できない慢性疼痛 臨整外 2017;52(1):76-79 慢性疼痛の治療を難渋化させる最初の要因として、パーソナリティ障害の合併がある パーソナリティ傷害の有病率 一般人口 9-15.7% 慢性疼痛外来 40-70% 筆者の外来患者 強…

痛みのclinical neuroscience 6 心理生物学的モデルに基づく慢性疼痛の精神心理分析

笠原諭 痛みのclinical neuroscience 6 心理生物学的モデルに基づく慢性疼痛の精神心理分析 最新医学 2015;70(12):2538-2542 慢性疼痛の心理生物学的モデル レスポンデント条件付け 認知的要因 破局化 些細なことでも大きな悲劇ととらえる非常に否定的な考え…

慢性疼痛は心の病気って本当?

笠原諭 慢性疼痛は心の病気って本当? Geriatric Medicine 2015;53(9):997-1000 一般に医療機関では、器質的病変で説明の困難な痛みは心因性疼痛として扱われる事が多い。しかし、近年、純粋に身体的あるいは心理的といった二者択一的な考え方では、主観的な…

テストバッテリーを用いた心理アセスメント 自己主張困難を抱えた思春期女性の慢性痛の一症例

笠原諭 テストバッテリーを用いた心理アセスメント 自己主張困難を抱えた思春期女性の慢性痛の一症例 ペインクリニック 2015;34(11):1555-1563 「心因」とは環境的な要因であり、「普通の意味での”外”でもできごとでも、”こころ”の中の意味性をもって生じる…

笠原諭、関山裕詩 他科との連携 ペインクリニック 2013;34:S249-S261

急性痛のような、「生物学的な痛みの原因を除去すれば、痛みは寛解し機能障害は減少する」という生物医学モデルでは不十分で、生物心理社会モデルに基づいて評価することが重要になる 橋爪らは、慢性疼痛における身体表現性障害を精神科紹介で対処するのは困…

笠原諭 慢性疼痛に対する心理的評価と認知行動療法 臨床精神医学 2013;42(6):739-748

慢性疼痛の患者は概して、心理的葛藤に対して否認・抑圧・身体化の防衛機制を用い、医師的・無意識的に心理的な悩みを隠そうとする傾向もあり、問診による情報だけでは病態の正確な評価は困難である 患者や家族に対して「あなたの家族のやりとりに問題がある…

笠原諭 慢性疼痛における心理社会的要因と脳dysfunctionへのアプローチ2013;34(1):37-46

神経症は、心因と性格要因の相互作用によって生じるものと言い換えることができる。したがって、慢性疼痛患者には、心因性疼痛など「神経症」に該当するものが多く見られるが、その精神面での評価では「心因」と「性格要因(人格)」の双方を評価する必要が…

笠原諭、増子博文、丹羽真一 整形外科とのリエゾン精神医学 −慢性疼痛と発達障害 心療内科 2008;12(5):422-429

リエゾン治療をおこなった身体表現性障害22症例のうち、11症例に発達障害の併存が認められた 神経学的に説明が困難な慢性疼痛には、発達障害の問題が併存している可能性が高いと考えられる 発達障害とは、DSM-IV診断では、PDD(pervasive developmental disor…

笠原諭、丹羽真一 精神科的アプローチの実際 調剤と情報 2011;17:171-174

医学的に説明が困難な慢性疼痛の患者を診断する際には、不安障害、気分障害、精神病性障害の可能性がある。それは身体表現性障害の各障害に有効性の確立した治療法はまだないが、不安障害、気分障害、精神病性障害に対してはそれぞれに有効な治療法が確立し…